一戸建て売却の注意点
一戸建ての売却は、マンションの売却と比較すると難しいと言われています。これは、不動産の現状をしっかりと把握する必要があることや、用意すべき資料が多くなることなど、一戸建て売却ならではの特徴があるからです。これによって、物件の査定価格も大きく変わってきます。
建物の現状を正確に把握する!
電気・ガス・水道の引き込み状況の確認はもちろんですが、雨漏りやシロアリ被害などの不具合を、しっかり把握したうえで売却に臨むことが重要です。通常、使用するうえでは特に問題がなくても、見えないところに問題が隠れているケースがありますので、できる範囲で確認しておくようにしましょう。なお、不動産業者に査定依頼する場合は、購入時の資料をお手元にご用意ください。
改装・修繕の履歴をチェックする!
改装・修繕を行っている場合は、いつどんなことをしたかを詳細に示すことが大切です。建築許可を取得していない増築(建て増し)や造作などがあると、買主が住宅ローンを利用できない場合もあります。
改装・修繕の履歴によって、買い手は購入後の改装・修繕の必要性を判断します。まったく手を加える必要のない一戸建ては高く・早く売れる可能性も高まります。なお、修繕が必要な不具合がある場合は、修繕後に売却した方が高く売れるケースもありますが、ケースバイケースなので慎重な判断が必要です。
隣接地・ご近所の現状を把握する!
一戸建てを売却する場合は、「隣の土地との境界があいまいでないか?」「建物や塀、雨どいやエアコンの室外機などが越境していないか?」「擁壁の問題など、隣人とのトラブルはないか?」などを正確に伝える必要があります。
土地の境界に関する覚書・協定書など、隣地所有者と取り交わした書類がある場合は、すべて買主に引き渡すことになります。また、本来、隣地所有者と取り決めておくべき事項があるのに、それがなされていない場合は、売主が売却前に書面を交わすケースもあります。
マンション売却の注意点
マンションの査定は、一戸建てほど複雑ではありませんが、ポイントがいくつかあります。しっかりと利点をアピールできるよう、ポイントを押さえておきましょう。
階層
マンションは、基本的に上下階の間取りは同じですが、上の階層になるほど査定価格は高くなります。これは、上層階のほうが見晴らしが良いなどのメリットが多いからです。
バルコニーの向き
マンションの場合、玄関ではなくバルコニーで東西南北の方角が決まります。一戸建てと同様に、南向き・東向きの角部屋がもっとも日当たりがよく価格も高くなります。
大規模修繕の予定
マンションは約10年に1回のペースで大規模修繕を行います。そのために、修繕積立金が積み立てられていますが、大規模修繕を行うのに修繕積立金が足りない場合は、居住者から一時金が徴収される場合があります。一時金の金額によっては売却価格に影響が出るケースもありますし、一時金の徴収があることを伝えずに売却すると、後のトラブルの原因になるため注意が必要です。
住み替えによる売却の注意点
売却と購入、どっちが先か?
住み替えのためにマイホームを売却する場合は、「売却と購入、どっちを先にすべきか?」という問題があります
リスクを軽減するには・・・
購入したい家を見つけ、購入の手続きを先に進めた上で売却先を探すケースが多くありますが、この場合、売却先が見つからないと、今の住まいと新しい住まいの両方のローンを抱えることになってしまいます。このリスクを軽減したいなら、売却を先行させた方がいいでしょう。ただし、先に売却が決まったものの、「なかなか欲しい家が見つからない・・・」という場合は、しばらくの間、賃貸暮らしになってしまいます。
売却代金を購入資金に充てるなら・・・
売却して得たお金を購入資金に充てるなら、売却金額を多少妥協してでも、新居の購入までに換金することを優先しなければいけません。
住み替え成功のポイントとは?
住み替え成功のポイントは、「売買同時進行」です。理想的なのは、購入したい家を見つけ、ほぼ同時に売却先も見つけ、売り・買いを同時に決済することです。
メリット1 二重のローンを背負わないで済む!
住み替えで理想的な手順は、売却して今の家を引き渡すのと、購入して新居の引き渡しを受けるのを同日に行うこと。売却代金で住宅ローンの残債を清算し、余ったお金を購入物件の頭金にするパターンです。これなら、二重のローンを背負うこともありません。
とはいえ、売却当日に引っ越しするのは現実的ではありませんので、10日程度の引き渡し猶予を契約に盛り込むようにしましょう。そうすれば、無理のない引き渡し&引っ越しが可能です。
万が一、売却が遅れてしまうと、売れるまでの間に「つなぎ融資」を使わなければならなかったり、新・旧の二重のローンを支払わなければならなかったりします
メリット2 仮住まいの必要がない!
今の住まいと新居の売買が同時に進めば、賃貸などの仮住まいを使う必要がありません。もし、「売却はできたけど、新しい家が見つからない・・・」ということになると、新居を購入するまでは仮住まいが必要です。賃貸であれば、引っ越し費用に加えて敷金・礼金や家賃が発生しますし、公共機関への届出などで手間がかかります。実家や知人を頼るにしても、地理的に不便な場合もありますし、気遣いなどで疲れてしまうリスクもあります。