土地売却の注意点
土地を売却する場合は、買い手の使い方に目を向けることが大切です。土地を買う人の多くは、そこに建物を建てるために購入します。そのため、「その土地にはどんな建物を建築することができるのか」を把握しておくとともに、買い手の用途に合わせた販売活動ができる不動産業者に依頼するのが重要です。土地を調査する力量がない業者や、買主の利用目的を考えない売り方をする業者に依頼するのは避けましょう。
買い手の購入用途を想定する
用途地域はもちろん、建築基準法や地方自治体の条例によって、その土地に建てられる建物は制約を受けます。買い手が何らかの建物を建てるために土地を購入するのでれば、予定している建物が建つかどうかが最重要になってきます。
現状を知る
もし、土地の上に使用できない建物や小屋がある場合は、買い手が購入後に解体する必要があります。余分な費用が発生してしまうために、更地に比べると価格交渉がされやすく金額は安くなります。また、更地の場合でも、草木が伸び放題の更地は見栄えが悪くまた、建物を建てる際に除去する手間がかかるため、売却価格にも影響を及ぼすケースもあります。
形状・高低差を知る
土地は、形状によって価格が変わってきます。一般的に、正方形の土地は高い評価になりますが、長方形や三角形、台形などの土地は評価が低くなります。また、道路に面している部分(間口)が広い方が、建物を建てるときの柔軟性が高いためプラス評価になります。また、店舗用地・工業用地の道路幅員が広い方が好まれます。
高低差も土地の売却価格に影響を与えます。一般的に、道路とフラットな土地は好まれます。逆に、道路より高い土地は擁壁工事の費用が発生しますし、道路より低い土地は造成工事の費用が発生するため、金額も低くなります。
方角を知る
住宅用地であれば、南向きの土地(道路が南側にある土地)は価格が高くなります。南向きの土地でも、特に東南の角地は日照が良いので、高額かつ早期に売却しやすくなります。ただし、店舗用地・工場用地などの場合は、南向きが好まれるとは限りません。
地盤を知る
地盤調査をしていないことが売却価格に影響することはありませんし、売主が地盤を保証する義務もありません。ただし、地盤の状態を心配する買い手は少なくありません。昔、沼地や池だった土地などは、その情報が買い手に知れたら、希望の価格で売れないケースもあるでしょう。
境界を知る
隣地との境界が確定していない土地や、境界を巡って隣地所有者とトラブルになっている土地は売却ができません。測量図がないうえに、境界を標示するプレートや杭がない土地も多いため、売却前には不動産業者と相談して必ず隣地所有者との間で確認をとっておきましょう。